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Imminence Gothenburg/SWEDEN show REPORT

☆IMMINENCE☆ ★Live★ ★MUSIC★

8月末のスウェーデン、1月にも訪れた地ヨーテボリの郊外でこの日、オーストラリアのメタルコアバンドI Killed The Prom QueenのEU TOURスウェーデン公演2日目が開催された。他サポートアクトはUKのVantiy Draws Blood、地元スウェーデンのHalfpace、そしてこの公演のトリ前に登場したのが、同じくスウェーデン/マルメ出身のバンドImminenceだ。

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彼らの曲の激しい中にある美しさや歌詞の不思議な魅力に惹かれ、こうして遥々日本から自国での彼らのライブを実際に見ようとやってきてしまった私である。最初は彼らも半信半疑だったらしい。滞在中、特によく私と話してくれたDr.のPeter(ピーター)曰く『"日本から1人で!?本気かよ!クレイジーだ!"って俺達の中では話題だったさ(笑)』と、会ったその初日に笑いながら言われた。驚いたことに、Nuclear Blast傘下のレーベルであるArising Empireと2015年に契約した彼らはそれ以降の公演をドイツを中心としたEU諸国でのみ行っており、スウェーデンでの公演は実に1年ぶりなのだという。

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小さな郊外のライブハウスには特に目立った看板もなく、到着までに少し迷ったりもした。そして機材は全て現地のバンド持ち込み。前日に彼らのリハーサルスタジオも訪問させてもらったのだが、楽器類はもちろんアンプからキャビネット、そしてピーターはドラムセット一式を全て手際よくケースに詰め『ドラムセット丸ごと持っていくのってEUでは結構普通なんじゃないかな、オレ明日IKTPQにも他のバンドにも自分のドラム貸すんだ』と話していた。セッティングも終わり、これまたのんびりとツアーバンドのリハーサルが行われる。会場のオープン時間は普通に押しており、『こりゃ長い夜になるぜぇ』と笑いながらピーターが楽しそうに呟いていた。

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そして開場/開演とその後公演も進み、いよいよ彼らの出番が訪れる。

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静かなSEが流れ楽器隊がステージに現れると、一呼吸おいてGt.のHarald(ハラルド)が観客に呼びかけステージの手を叩き煽り出した。ここでやはり!…と思ったのだが、現地公演に来てるのだから仕方がない。

メンバーの話すMCが全てスウェーデン語だ

恐らく『ヨーテボリ!俺達がマルメからきたImminenceだ!』的な事を言ったんだろうと思う。ド平日の郊外、集まった観客はさほど多くはなかったが、彼らのショーが始まるや否や、一斉にステージの前には人だかりが出来た。会場内が一斉にリズムに合わせ手を叩き出し盛り上がってくると、ギターの旋律に合わせVo.のEddie(エディ)がステージ中央に現れた。

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彼が観客に『いくぞ!』と呼びかけそのままスタートしたのは、彼らが現レーベルから初めてリリースしたキラーチューン"The Sickness"。贔屓目を抜きにして驚いた。音源と差異無く耳に飛び込んでくる音色の数々、こんなにもこのバンドはまとまりがいいのか。バックアップボーカルとして追いかけるようにシャウトを叩きこんでくるハラルドの主張が想像していたよりも色濃く出ていた事はもちろんだが、特筆すべきは開始数秒で惹きこまれてしまったVo.エディの表現力豊かな歌唱力である。

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高音の絹のような声と力強いシャウトを交互に織り交ぜ、それでいて息切れや声量が落ちる事も一切ない。単純に彼はクリーンでの歌声が独特でとても巧いのだ。囁くような部分からの落としどころでは観客が一斉に曲に合わせ頭を振る。

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美しい旋律で1曲目が終わるとそこから鋭いギターのリフから始まる"86"がスタート。ツインギターが折り重なるように交互に奏でられる。バックアップボーカルやパフォーマンスの分、やはりハラルドに目が行きがちになるこのバンドだが、上手Gt.のAlex(アレックス)のプレイもまた彼とは違う細やかさと安定さがあり、見ていてとても興味深かった。そしてそこにBa.のMax(マックス)の安定感のあるベースがしっかりと絡んでいく

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『タッキソーミッテ(スウェーデン語で"ありがとう")』とエディが言い、今度は徐々に大きくなるギターの音色から突如地鳴りのような音に変わり始まる、彼らの1st EPからの名曲"Snakes & Ladders"。初期のよりメロデス調の強い彼らの音が詰め込まれた1曲だ。堪えられない、とでもいうかのようにフロアには自然とモッシュが巻き起こる。

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 激しい曲の後には、再びエディが囁くような歌声を。まるでチェロを奏でるかのような手法でアレックスがゆったりとギターを鳴らす。そんな息を潜めるような静かな空気から始まったのはアルバム”I”から"Last Legs"。曲の入りはまるで昨年リリースしたシングル"Mark On My Soul"そのものという1曲だ。そこから一気に叫び声と叩きつけるドラムの音で曲は激しさを増していく。ピーターは足数で勝負するタイプのドラマーではないが、彼のプレイには日々の努力と彼のドラムに対する愛情や情熱が表れており、それがしっかりとこのバンドの中心軸となって曲全てを鼓舞し、また支えているように感じた。

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ここで再びエディがにこやかにフロアに向け語り始める。彼の声を聞き逃すまいと、観客が一点を見つめるその光景は、さながらミュージカルを見ているようでもある。そう表現したくなるほど、ステージの上でのエディのパフォーマンスは世界観が出来上がっていて美しい。するとここで、急にそのままエディが零れんばかりの笑顔をこちらに向けた。『マリナ、日本から来てくれてありがとう』突然のステージの上からの彼の言葉にただ驚き、ひたすら笑って頷く事しかできなかった。彼らなりの、精一杯の感謝の気持ち。言葉も時間も生まれた国も、文化も全く違う私と彼らの中で、決して普段多くは語らない彼から出たその言葉にとても感動していた。

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そこから最新シングル"Can We Give It All"を演奏。これまでのバンドのスタイルから、アコースティックでもなく、よりクリーンを多めにした曲である。サビで観客が一斉に手を挙げ熱唱する光景がまたとても美しい。思わず一緒に口ずさんでしまうほど、エディの歌声は見る者の心をしっかりと掴む。余談ではあるが、Imminenceの音源に使われているバイオリンの音色は、全てエディ自身の演奏によるもの。

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そしてラストは"Wine & Water"、ラストに持ってこられたこの破壊力バツグンの1曲に、この日最初で最後のウォールオブデスが起きるほど会場の盛り上がりも最高潮。会場内は彼らの演奏と歌声に酔いしれた様な笑顔と歓声が溢れ、大きな拍手の中この日のImminenceのショーは幕を閉じた。

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 もっと見ていたい、いつかもっと大きな、沢山のライトの下で光り輝くように演奏する彼らを見たい。そう思えるような30分間だった。

 

【SET LIST】
The Sickness
86
Snakes & Ladders
Last Legs
Can We Give It All
Wine & Water

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『日本に行きたいんだ』

『今度はボク達が日本に行くよ』

そう何度も話してくれたImminence。今回実際に彼らのショーを観て、間違いなくこの先もっと昇っていくであろうバンドの1つになると確信しました。オリジナルメンバーのエディ、ハラルド、アレックスは現在23歳。天才なんじゃないかと思うような感性を持った子達だなと、お世辞抜きでそう思っています。そしてしっかり者で包容力のあるマックスと、常ににこやかなムードメーカーながらも1番の努力家で気遣いのあるピーター。この5人なら、もっと何かやってくれるのではないか。そう心から思った今回の滞在でした。

 

現在制作中のアルバムの発売は恐らくこの冬。

目の前でミックスしたばかりの曲や、ワンテイクのプリプロ音源等、いくつか実際に私も聴かせていただきました。多くは書けませんが、以前のインタビューでハラルドが話していた"新しいスタイル"や"1つ上のレベル"の言葉に偽りはなく、新たな切り口だったり展開だったり、どれも素晴らしい曲ばかり。是非とも彼らのこれからとこの新アルバムを楽しみにしていただきたいです。

 

今度は違う国かな?笑 何処かにまた会いに行こうと思っています。

願わくは、いつかこの日本でもImminenceのショーを観られる日がきますように。

 

これからも私は皆の事を全力で応援しています。素晴らしい時間をありがとう。

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Tack så mycket Imminence.

 

 

MAR1NA